「リスキリングで補助金や助成金は使える?」
「リスキリング支援の対象者は?」
リスキリングには補助金・助成金が活用できます。
企業や個人が新たなスキルを習得する際、国や自治体が提供する制度を利用することで、受講にかかる費用の一部または全額を支援してもらうことが可能です。
特に、従業員向けの訓練や教育コースの実施を支援する事業として、「人材開発支援助成金」や「キャリアアップ助成金」などが知られています。
対象となる事業者や受講者の条件を満たし、適切な手続きを行えば申請が可能です。
制度によっては中小企業を優遇しているものもあり、申請手続きのサポート体制も整っています。
本記事では、活用できる主な補助金・助成金制度の内容、対象となる事業や従業員の条件、実際の申請方法や必要書類などを詳しく解説します。
制度を正しく理解し、効果的なスキルアップを実現しましょう。
| 当記事でわかること |
| ・リスキリングで補助金や助成金が活用できる! ・リスキリングとは仕事の変化に対応するためスキルを学び直すこと ・リスキリングにおける補助金・助成金・給付金の違い ・法人がリスキリングに活用できる補助金・助成金一覧 ・個人事業主や個人でも活用できるリスキリング補助金 ・リスキリング補助金が受けられる条件と対象者 ・リスキリングの効果を高めるポイント3つ ・海外でのリスキリング補助金・支援制度 |
リスキリングで補助金や助成金が活用できる
企業が人材育成や業務変革の一環としてリスキリングを進める中、費用面の負担を軽減できる強力な支援策として「補助金・助成金」の活用が注目されています。
補助金・給付金の給付対象には事業内容、訓練の実施時間・形式などに条件がありますが、要件を満たせば積極的に活用可能です。
また、申請手続きに必要な書類や流れも比較的明確で、社労士や専門機関による支援も受けられます。
まずは、自社や自分が対象になる制度をチェックしてみましょう。
リスキリングとは仕事の変化に対応するためスキルを学び直すこと

リスキリング(Reskilling)とは、仕事の変化に対応するために、新しいスキルや知識を“学び直す”ことを指します。
急速に進むAI・デジタル技術の発展や、ビジネスモデルの転換によって、従来の働き方や求められるスキルが大きく変わりつつあります。
技術革新が止まらない現代において、企業も個人もリスキリングを通じて変化に適応する力を身につけることが重要です。
【リスキリングの特徴・目的】
- 業務内容や職種の変化に備えて、新しいスキルを習得するための学び直し
- 今の仕事に必要なスキルだけでなく、将来必要になるスキルへの備え
- 社内の配置転換や新事業への移行に対応できる人材を育成する手段
- 離職防止やキャリアの持続可能性を高める効果も期待されている
リスキリングは「時代の変化に置いていかれないための戦略的な学び直し」であり、組織と個人の成長のために不可欠な取り組みです。
生成AI・DX時代におけるリスキリングの重要性
生成AIとDX(デジタルトランスフォーメーション)は、これまでの働き方・価値創出の常識を根本から変えつつあります。
業務自動化や効率化が進み、ChatGPTなどの生成AIは、情報整理・提案文作成・コード生成といった知的労働までも代替しはじめています。
また、DXの波により、企業は従来の業務プロセスを見直し、「人にしかできない仕事」への再配置を進める必要があるでしょう。
特に生成AIの台頭によって、業務効率だけでなく意思決定の質・スピードまでもが変わる中、人が新たな力を獲得しない限り、テクノロジーに置き換えられるリスクが高まります。
企業にとっても、変化に強い人材を育てることがDX推進そのものの鍵となります。
今こそ、「変化に適応できる人」をつくる戦略的人材投資=リスキリングに本格的に取り組むべきタイミングです。
リスキリングにおける補助金・助成金・給付金の違い

リスキリングにおける補助金・助成金・給付金の違いは以下の通りです。
- 補助金
- 企業や団体が対象
- 公募制で審査・採択が必要
- プロジェクトや取り組みにかかる費用の一部を補助
- 例:東京都DXリスキリング助成金、IT導入補助金など
- 企業や団体が対象
- 助成金
- 主に企業や事業主が対象
- 要件を満たせば原則支給(審査は比較的少ない)
- 雇用維持・人材育成・働き方改革などを目的とした支援
- 例:人材開発支援助成金、中小企業等人材確保支援助成金など
- 主に企業や事業主が対象
- 給付金
- 主に個人が対象(在職者・離職者ともに可)
- 雇用保険の加入歴など一定の条件を満たせば受け取れる
- 教育訓練の受講費用の一部を支給
- 例:一般教育訓練給付金、専門実践教育訓練給付金など
- 主に個人が対象(在職者・離職者ともに可)
それぞれの違いを押さえて、自身の立場(企業か個人か)と目的に合わせて活用することが、リスキリング支援制度を上手に使う鍵になります。
法人がリスキリングに活用できる補助金・助成金一覧

法人がリスキリングに活用できる補助金・助成金を一覧で紹介します。
| 制度名 | 概要 |
| ものづくり補助金 | 中小企業の革新的サービス開発・生産プロセス改善を支援 |
| 人材開発支援助成金 | 労働者の職業能力開発に対する訓練費用・賃金補助 |
| 東京都DXリスキリング助成金 | 都内中小企業のデジタルスキル習得支援 |
| 中小企業等人材確保支援助成金 | 生産性向上に資する人材育成を通じた人材確保支援 |
法人が利用できる代表的なリスキリング支援制度は、それぞれ特徴や対象、支給条件などが異なります。
自社の事業内容や目的に応じて、最適な制度を検討する際の参考にしてください。
1.ものづくり補助金
「ものづくり補助金」は、中小企業が行う革新的な製品・サービス開発や、生産プロセスの改善などに対して支援を行う国の補助金制度です。
従来は製造業向けの設備投資を中心とした支援が中心でしたが、現在ではデジタル技術やDX推進、人材育成を含む取り組みも対象となっており、リスキリングにおける活用の幅も広がっています。
以下に、「ものづくり補助金」の概要を表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
| 制度名 | ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 |
| 支援対象 | 革新的サービス開発・業務プロセス改善・デジタル化を含む取り組み |
| 対象企業 | 中小企業・小規模事業者(業種要件あり) |
| 補助額 | 最大1,250万円(補助率:1/2〜2/3)(デジタル枠) |
| 活用例 | DXに伴う業務改革+従業員向けIT研修・AI活用スキル習得など |
たとえば、自社の業務効率化を目的に生成AIやクラウドツールを導入し、活用スキルを習得するための研修を実施するといったケースは、補助対象事業となり得ます。
申請には事業計画書や経費見積もりなどが必要ですが、最大1,250万円まで支給される大型の補助制度であり、DXに向けた本格的な組織変革とセットでリスキリングを進めたい企業にとっては、非常に魅力的です。
ものづくり補助金は年数回の公募が行われており、採択にあたっては計画の革新性や収益見込み、生産性向上の明確な指標が求められます。
リスキリング単体ではなく、業務改善や収益化とセットで計画を立てることで、より現実的かつ採択されやすい申請が可能です。
リスキリングを“投資”として捉える企業には、非常に相性のよい支援制度といえるでしょう。
参考:全国中小企業団体中央会|ものづくり補助金総合サイト
2.人材開発支援助成金
人材開発支援助成金は、企業が従業員に対して計画的な職業訓練やスキルアップを実施する際に、費用や訓練中の賃金の一部を厚生労働省が助成する制度です。
以下の7つのコースがあります。
人材育成支援コース(人材開発支援助成金)
人材育成支援コースは、企業が従業員に対して計画的に実施する職業訓練(OJT・Off-JT)に対し、訓練経費や訓練中の賃金の一部を助成する制度です。
ITスキル、業務改善、接客力向上など幅広い訓練が対象で、リスキリングの一環として活用しやすいのが特徴です。
正社員・非正規社員ともに対象となり、申請時には訓練実施計画の提出と事前の認定が必要です。
特に中小企業には手厚い助成率が設定されており、人材育成への投資を促す有力な支援策です。
教育訓練休暇等付与コース(人材開発支援助成金)
教育訓練休暇等付与コースは、従業員の自主的な学びを支援する企業に対して、教育訓練のための休暇や休業制度を導入・付与した際に助成する制度です。
たとえば、就業時間内に外部講座を受講させるための有給制度や、キャリアアップを目的とした研修休暇制度などが対象となります。
企業が制度を整備するだけでなく、実際に従業員が休暇を取得・活用することが助成の要件となっており、職場全体で学びを推進する文化づくりに貢献します。
人への投資促進コース(人材開発支援助成金)
人への投資促進コースは、企業内での学び直しやキャリア形成を後押しする制度として新設された支援枠です。
企業がデジタル技術・グリーン分野・成長産業などに関する訓練機会を提供する場合、訓練費や賃金補助を重点的に支援します。
特に成長領域への人材移行や、従業員の中長期的キャリア支援を目的とした施策が対象となるため、リスキリング・リカレント教育に直結する制度です。
中小企業向けの助成率が高く、先進的な人材戦略を実行する企業におすすめです。
事業展開等リスキリング支援コース(人材開発支援助成金)
事業展開等リスキリング支援コースは、事業再構築や新分野展開を進める企業が、従業員に新たなスキルを習得させる取り組みに対して支援する制度です。
デジタル技術の導入や新たな商品・サービス開発、業務転換に必要な知識・技能の訓練が対象で、Off-JTに対する訓練経費や賃金助成が行われます。
リスキリングを通じて人材の再配置を促すことで、企業の変革と人材活用を両立させることを目的としています。
建設労働者認定訓練コース(人材開発支援助成金)
建設労働者認定訓練コースは、建設業に従事する労働者が国や都道府県等に認定された訓練を受講する場合に、費用や賃金を助成する制度です。
熟練技能の継承や多能工化、現場の安全管理など、建設現場に不可欠なスキルの習得を支援します。
訓練実施にあたり、事前に認定を受けた教育機関であることが条件であり、受講者1人あたりの訓練経費と一定の賃金が助成されます。
建設労働者技能実習コース(人材開発支援助成金)
建設労働者技能実習コースは、建設分野で働く労働者に対し、実際の作業に近い形式で行う技能実習(OJT)を支援する制度です。
事業主が作成した訓練計画に基づき、熟練者による実地指導を行う場合、その指導にかかる賃金や実習経費の一部が助成されます。
特に、若手技能者の育成や熟練技能の継承を目的としたOJTに対して有効であり、現場での技術力を確実に伝えていくための制度設計となっています。
障害者職業能力開発コース (人材開発支援助成金)
障害者職業能力開発コースは、障害のある方の就労機会の拡大と職場定着を目的として、企業が実施する職業訓練に対して助成を行う制度です。
訓練はOJT・Off-JTのいずれも対象となり、訓練経費・訓練中賃金の一部が支給されます。
特性に応じた支援や職務設計が求められますが、制度活用により障害者雇用を前提とした人材育成計画を実行しやすくなります。
多様性のある職場づくりやインクルーシブな人材戦略を進める企業にとって有効な支援策です。
3.東京都DXリスキリング助成金
東京都DXリスキリング助成金は、都内の中小企業が従業員のデジタルスキル向上を目的として実施する研修や訓練に対して、経費の一部を助成する制度です。
概要は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
| 制度名 | 東京都DXリスキリング助成金 |
| 支援対象 | デジタルスキル習得を目的とした研修・訓練の実施費 |
| 対象企業 | 東京都内に事業所を持つ中小企業 |
| 補助額 | 経費の3/4以内(上限100万円) |
| 活用例 | 生成AI研修、業務改善に関するeラーニング、クラウド導入研修、社内DX推進人材の育成 |
「東京都DXリスキリング助成金」は、生成AI、デジタルマーケティング、業務自動化ツール(RPA等)など、業務のデジタル化に必要なリスキリングを進めるうえで非常に実用的な支援となっています。
社内外の研修、eラーニング、資格取得など、柔軟な取り組みに対応しており、実施計画書の提出・審査を経て、対象経費の最大3/4(上限100万円)まで補助されます。
特に東京都内で人材育成とDXを同時に進めたい企業には有力な選択肢です。
参考:公益財団法人東京しごと財団|令和7年度DXリスキリング助成金
4.中小企業等人材確保支援助成金
中小企業等人材確保支援助成金は、人材の採用・定着・育成に向けた取り組みを支援する制度で、企業の生産性向上や職場環境改善を通じた人材確保を目的としています。
概要は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
| 制度名 | 中小企業等人材確保支援助成金 |
| 支援対象 | 人材育成・職場定着を目的とした制度導入・教育訓練 |
| 対象企業 | 生産性向上や賃金引上げに取り組む中小企業等 |
| 補助額 | 最大70万円(条件により加算あり) |
| 活用例 | OJT制度導入、キャリアパス整備、リスキリング研修+処遇改善、テレワーク環境整備を伴うスキルアップ施策 |
「人材の定着」や「待遇改善」といった長期的な人材戦略とリスキリングを結びつけられる点が特徴です。
個人でも活用できるリスキリング給付金

個人事業主や個人でも活用できるリスキリング給付金を紹介します。
- 専門実践教育訓練の給付金
- 特定一般教育訓練の給付金
- 一般教育訓練の給付金
リスキリングは企業だけの取り組みではなく、個人にとっても将来のキャリアを切り開くための有効な手段です。
国や自治体では、失業中・転職活動中・在職中に関わらず、個人がスキルを習得するための学び直しを支援する給付金制度を整備しています。
詳しく説明しますので、参考にしてください。
1.専門実践教育訓練の給付金
専門実践教育訓練給付金は、厚生労働省が実施する教育訓練給付制度の中でも、就職や転職に直結する専門的なスキルの習得を目的とした講座を対象とする支援制度です。
個人のキャリアアップや資格取得に役立つ講座を受講する際、受講費用の最大70%が給付される可能性がある、非常に手厚い内容が特徴です。
以下に制度の概要を表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
| 対象者 | 原則として雇用保険の被保険者期間が2年以上ある方(初回は1年以上) |
| 対象講座 | 厚労省指定の専門講座(例:看護・介護・保育・IT・中小企業診断士・Web系など) |
| 支給額 | 受講費用の50%(最大年56万円)+修了後の条件達成で追加20% |
| 支給期間 | 最大3年間(講座の修了まで) |
| 給付条件 | 講座の修了、資格取得、受講後1年以内の就職または継続就業など |
転職・独立を視野に入れたキャリアチェンジや、国家資格取得を目指す方にとって非常に有効な制度です。
講座選びの前に、厚生労働省の「教育訓練給付制度検索システム」で対象講座を確認することが推奨されます。
2.特定一般教育訓練の給付金
特定一般教育訓練給付金は、雇用保険の被保険者または離職者が、就職に役立つ資格取得やスキル習得のための講座を受講した場合に、費用の一部が支給される制度です。
専門実践教育訓練ほど高額ではありませんが、比較的短期間・低コストで受講できる講座が対象となっており、在職中のスキルアップや副業準備にも活用しやすいのが特徴です。
| 項目 | 内容 |
| 対象者 | 雇用保険の被保険者期間が3年以上(初回受給は1年以上)ある方 |
| 対象講座 | 指定された民間スクールや通信講座(例:簿記、TOEIC、宅建、MOSなど) |
| 支給額 | 受講費用の40%(上限20万円) |
| 支給期間 | 講座修了後に申請し、一括支給される |
特定一般教育訓練は、比較的短期間で実務に活かせるスキルを身につけたい個人に適した支援策で、申請前にハローワークでの手続きが必要になります。
特に「キャリアを少しずつ広げたい」「学び直しを始めたい」という方におすすめの制度です。
3.一般教育訓練の給付金
一般教育訓練給付金は、主に「キャリアの基礎づくり」や「学び直しのきっかけ」として活用できる、入門的な給付制度です。
対象となる講座は、民間スクールや通信講座などで受講できる比較的身近で低価格なものが中心で、パソコンスキルやビジネスマナー、日商簿記3級など、実務に直結しやすい基礎的スキルが対象です。
他の給付金に比べ、講座数・ジャンルの幅が非常に広く、自分の興味や目的に合わせた学びを自由に選びやすいのが特徴です。
また、再就職支援というよりも、働きながらスキルを磨く個人向けの制度として、在職中のスキルアップや副業準備にも活用されています。
一般教育訓練の給付金の概要は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
| 対象者 | 雇用保険の被保険者期間が3年以上(初回利用時は1年以上)ある方 |
| 対象講座 | 民間スクールや通信講座のうち、厚労省指定の基礎的なスキル系講座(例:簿記3級、TOEIC、MOSなど) |
| 支給額 | 受講費用の20%(上限10万円) |
| 支給期間 | 講座修了後に一括支給 |
特定一般教育訓練よりも自由度が高く、対象講座の選択肢が広いことが特徴です。
「まず何かを始めたい」「スキルに自信をつけたい」という方は検討してみましょう。
リスキリング補助金の申請方法

リスキリング補助金の申請方法は、制度ごとに異なりますが、共通して重要なのは「事前準備」と「必要書類の確認」です。
一般的な申請の流れ(教育訓練給付金などの場合)
- 対象講座を選ぶ
厚生労働省の「教育訓練給付制度検索システム」などで、給付金対象講座かどうかを確認します。 - ハローワークで事前申請・相談
講座開始の1か月前までに、所轄のハローワークで申請書を提出します。雇用保険の加入歴の確認も行います。 - 講座の受講・修了
指定講座を受講し、修了証など必要書類を取得します。 - 講座修了後の申請
修了後1か月以内に、修了証・領収書・本人確認書類などを添えてハローワークに申請します。 - 審査・支給
内容が認定されると、受講費用の一定割合が指定口座に支給されます。
自治体・企業向け補助金(例:東京都DXリスキリング助成金など)
- 自治体のウェブサイトに公募要領・交付要綱が掲載されているため、公募期間中に申請書類を整えて提出する必要があります。
- 提出後に審査があり、採択された場合に補助金交付が決定されます。
- 実施報告書や領収書の提出により、実績に応じた支払いがなされます。
申請漏れや期限切れを防ぐために、制度の公式ページや申請マニュアルを確認しながら進めましょう。
不明点は、ハローワークや助成金窓口に早めに相談すると安心です。
リスキリングの効果を高めるポイント3つ

リスキリングの効果を高めるポイントは以下の3つです。
| ・実務と連動した内容にする ・目的とゴールを明確にする ・スキルを可視化し評価制度との連動を高める |
スキルの習得を目的に学び直しを始めたものの、「思ったより成果が出ない」「途中で挫折してしまった」という声は少なくありません。
せっかく時間や費用をかけてリスキリングに取り組むなら、効果的にスキルを定着させ、実務に活かしましょう。
以下に効果を高めるポイントを紹介しますので、参考にしてください。
実務と連動した内容にする
リスキリングの効果を高めるためには、日々の業務と直結するテーマを選ぶことが非常に大切です。
学んだことをすぐに現場で活かせる環境があると、理解が深まりやすく、習得スピードも格段に上がります。
また、実務に紐づいていれば、上司やチームからの理解も得やすく、継続しやすいというメリットもあります。
以下は、実務と連動したリスキリングの具体例です。
| ・営業職が「提案書作成×PowerPoint実践講座」を受講 → 資料の質と提案力が向上 ・マーケティング担当が「GA4×データ分析」の研修を受講 → 日々のレポート業務に即活用 ・人事が「Excel関数×人事データ管理」のeラーニングを活用 → 勤怠管理・集計作業を自動化 ・接客業が「顧客対応×チャット応対スキル講座」を受講 → オンライン接客力の強化に貢献 |
単に知識を得るだけでなく、「学んだことを自分の仕事にどう落とし込むか」を意識することで、リスキリングの成果は何倍にも広がります。
目的とゴールを明確にする
リスキリングを成功させるためには、「なぜ学ぶのか」「何を達成したいのか」という目的とゴールを明確にすることが欠かせません。
目的が曖昧なままでは、途中でモチベーションが下がったり、学びの方向性を見失いやすくなります。
たとえば、「データ分析ができるようになりたい」という漠然とした目標よりも、「自社の顧客データを分析し、売上レポートを自動作成できるようになる」といった実務に即したゴール設定のほうが、達成度も測りやすくなります。
また、ゴールにあわせて必要な講座や教材も選定しやすくなり、時間や費用の無駄を防ぐことができるでしょう。
スキルを可視化し評価制度との連動を高める
リスキリングの成果を組織として活かすためには、従業員が身につけたスキルを“見える化”し、人事評価やキャリアパスと連動させることが重要です。
スキルを明確に記録・管理することで、社員の成長実感を高め、企業としても適切な配置や報酬制度の改善に活かすことができます。
以下に、実践のポイントと活用例をまとめます。
| ・学習記録をポータルやスキルマップで管理 → 受講講座・習得スキル・資格取得の履歴を部門ごとに一元化する ・スキル取得を昇進・昇格要件と紐づける → 例:DX関連研修の修了でリーダー候補に認定する ・人事評価シートに「リスキリング実績」欄を設ける → 自己学習や会社支援プログラム参加を加点要素にする ・社内資格制度やバッジ制度を導入する → 例:生成AI活用スキルバッジ取得者を先進業務に優先配置する ・スキル可視化ツールを導入する → LMS(学習管理システム)やタレントマネジメントシステムと連携する |
上記のような仕組みが整っていると、学びが自己成長や待遇改善に結びつくという動機づけが働き、社員の意欲と定着率の向上にもつながります。
リスキリングを一過性の施策にせず、評価・配置・報酬とつなぐ“人材戦略の中核”として活用していくことが、これからの企業に求められています。
海外でのリスキリング補助金・支援制度
海外でのリスキリング補助金・支援制度は、以下のようなものがあります。
| 国・地域 | 制度名 | 支援内容 |
| アメリカ | Workforce Innovation and Opportunity Act (WIOA) | 職業訓練、職業紹介、学費助成 |
| シンガポール | SkillsFuture | スキルアップのためのクレジット支給 |
| ドイツ | Weiterbildung Geringqualifizierter und beschäftigter älterer Arbeitnehmer | 企業・個人向けの職業訓練支援 |
| フランス | Compte Personnel de Formation(CPF) | キャリアアップのための学習費用に使える個人用口座 |
| カナダ | Canada Training Credit | 生涯学習用の税額控除制度 |
海外でもリスキリング制度は、柔軟なキャリア形成支援や、企業による人材再育成を推進する仕組みとして設計されています。
特にシンガポールやドイツでは、政府が教育コストを大幅に負担し、国全体で学び直しを支える構造が確立しています。
今後、日本でもグローバルな成功事例を参考にしながら、個人と企業双方の成長を支える持続的なリスキリング制度の設計が求められるでしょう。
リスキリング補助金に関する質問と回答集

リスキリング補助金に関する質問と回答集を紹介します。
| ・リスキリング補助金はいつからいつまでですか? ・リスキリング補助金の申請方法は? ・リスキリングの助成金は無職でも受けられますか? |
リスキリングを始めようとして、多くの人がつまずきやすいポイントを中心に、よくある質問と回答をQ&A形式でわかりやすくまとめました。
制度を使いこなして、リスキリングをより確実に進めるための参考にしてください。
リスキリング補助金はいつからいつまでですか?
リスキリング補助金の申請期間や利用可能な時期は、制度の種類ごとに異なります。
| ・国の恒常的な制度(例:教育訓練給付金) → 通年で申請可能で、講座開始の1か月前までにハローワークで手続きが必要です。 ・期間限定の補助金(例:東京都DXリスキリング助成金、厚労省の特別支援事業など) → 年度単位・募集期間が設定されており、公募期間中のみ申請が可能です。多くは数か月間の受付で締切があります。 |
申請のタイミングを逃すと対象外となることもあるため、利用を検討している場合は、各制度の公式サイトや公募要領を早めにチェックしましょう。
特に自治体や企業向けの助成金は、年度初め(4〜6月)に募集が始まるケースが多く見られます。
リスキリングの助成金は無職でも受けられますか?
無職の方でも条件を満たせばリスキリングの助成金や給付金を受け取ることが可能です。
代表的な制度である「教育訓練給付金(専門実践・特定一般・一般)」は、離職後でも一定期間内(離職後1年以内が原則)であれば申請が可能です。
また、雇用保険の被保険者期間(通常1年以上または2年以上)があれば、無職中でも再就職支援の一環として支給されるケースがあります。
加えて、ハローワークを通じて職業訓練を受ける「公共職業訓練(求職者支援訓練)」などでは、訓練受講中に「職業訓練受講給付金(月10万円+交通費)」が支給される制度もあります。
ただし、各制度によって要件や申請方法が異なるため、ハローワークでの事前相談・申請が必須です。
リスキリングの助成金は個人事業主でも受けられますか?
個人事業主でもリスキリングの助成金や給付金を受けられる制度があります。
ただし、利用できる支援は「個人」として申請できるものと、「事業主」として従業員教育を目的としたものに分かれます。
たとえば、厚生労働省の教育訓練給付制度(一般・特定一般・専門実践教育訓練)は、雇用保険の加入歴があれば、個人事業主でも個人名義で申請可能です。
過去に会社員だった経験があり、一定期間雇用保険を納めていた場合も対象になります。
また、自治体によってはフリーランスや個人事業主向けにスキルアップ支援を行う独自の補助金制度(例:IT講座受講費助成など)が用意されていることもあります。
一方で、厚労省の「人材開発支援助成金」などは基本的に法人が従業員の訓練に活用する制度であり、個人事業主が自分自身の学びに使うことはできません。
リスキリング補助金を活用したAIスキル習得には「生成AI活用研修」がおすすめ
補助金を活用して、戦略的に人材育成を進めたい企業様には、DMMAIの「生成AI活用研修」がおすすめです。
社員のAIスキル習得にかかる費用を抑えて導入しつつ、実務に即した内容でAIリテラシーを高められます。
生成AIを使った業務改善や情報整理、資料作成などを学ぶことができ、コストパフォーマンスの高い研修となっています。
補助金活用を視野に入れながら、自社のDXを一歩進めたい方は、ぜひ検討してみてください。
まとめ
急速に進化する社会やテクノロジーに適応していくためには、個人も企業も“学び続ける力”を持つことが不可欠です。
リスキリング補助金や助成金は、キャリアアップを後押しする強力なサポートとなります。
個人にとっては、スキルの習得やキャリアの再構築に向けた自己投資のチャンスになります。
企業にとっては、人材の価値を高め、組織力を強化するための成長戦略の一環となるでしょう。
制度を上手に活用すれば、経済的な負担を抑えながら“未来に通用する力”を育てることが可能です。
今こそ、補助金を味方にして、自分自身も組織もアップデートするリスキリングを始めてみましょう。
